疾病と事故誘因
用語と定義の3.8項において、疾病(illhealth) について以下のように定義されています。
1999年版では、疾病は、とくに用語と定義の項においてとくに定義されていませんでした。3.1項の事故や3.4項のハザードの定義の分などに登場していました。
2007年版では、3.8項において3.8 疾病(illheath)以下のように定義しています。
業務活動、または、及び業務に関係した状況により発生する、識別でき、有害な肉体的精神的な状態。
OH&Sマネジメントシステムで問題とする事故の1種で肉体的あるいは、精神的に何らかのダメージを受けている状態になります。
定義文のなかでとくに肉体だけでなくメンタルヘルスの問題も取り上げているのは、昨今の社会情勢を反映した2007年版の特徴とも言えるかと思われます。
oxford dictionaryによるとill healthは、以下のように説明しています。
the poor condition of a person’s body or mind
すなわち、『ヒトの身体と心が不十分な状態』といった意味で、もともと心の状態も含んでいます。
業務活動、または、及び業務に関係した状況に限定しているのは、組織のOH&Sマネジメントシステムということで当然の区切りということになります。
用語と定義の3.9項において、事故誘因(indident) について以下のように定義されています。
これは、1999年版においても3.6項で『労働災害や業務上疾病などの事故につながるか、つながるおそれのある出来事。幸い災害に到らなかったニアミスといったヒヤリハット体験も含む。』
2007年版では、3.9項において事故誘因を以下のように定義しています。
傷害や疾病(その深刻さには関わらず)や死亡が発生したあるいは、発生したかも知れない業務に関係した出来事
注記1:事故は、傷害や、疾病、死亡などが発生してしまった事故誘因である。
注記2:傷害、疾病、死亡が発生しなかった事故誘因は、「ニアミス」、「ニアヒット」、「間一髪の危機脱出」、「危険な出来事」とも呼ばれる。
注記3:緊急事態は、特殊な事故誘因になる。
事故誘因は、ハザードがあって事故が起こってもおかしくない状態ということになります。
階段があって濡れていたので滑ったしかしその瞬間手すりに捕まって転倒を踏みとどまった。
階段は転倒・転落事故のハザードですが、そこを通るときの床(もろく破損し易い、滑りやすいなど)、ヒトの状態(体調不良でめまいを起こした、酩酊しているなど)が発生しないと事故誘因、事故になることはありません。
あるいは、ライオンの檻でライオンの手が届く所に近づいた、しかしライオンが手を伸ばした瞬間、ズボンが破れたが、うまく難なくすり抜けることができた。
檻に入ったライオンは、ハザードでも、ライオンの状態、ヒトの状態、ヒトとライオンとの関係などで危害がもたらされる状態が発生しないと事故誘因、事故が発生しません。
危害がもたらされる状態が発生していて、事故に至らなかった事象、出来事が事故誘因になります。
この事故誘因について、OHSAS 18001:2007規格の.4.5.3.1項:「事故誘因の調査」で『a)~e)に関わる事故誘因の調査し分析する手順の確立・実施・維持』と『事故誘因の調査の結果の文書化・維持』が要求されています。
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